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ご祈祷

日蓮宗のご祈祷は日蓮宗大荒行を終え日蓮大聖人直授の祈祷の奥義秘法を修得された修法師にて行われる「修法祈祷」です。
祈祷本尊・鬼子母神を仰ぎ、胸に撰法華経を携え、大宝剣を秘妙五段修練加持において行われます。

日蓮大聖人は「法華経の行者の祈りの叶わぬことはあるべからず」と述べられており、必ずご利益を受けられることを信じてお祈りをいたします。このお祈りを「感応道交」といい、本仏釈尊と修法師、そして祈願者と心身共に三位一体になった祈りによって始めて霊験が現れてくるのです。

修法師の使命は、「この祈願者の悩みごとを本仏の慈悲をもって救うこと」ですが、どうしても救いたいという修法師の祈りと本仏の慈悲をいただき、どうしても救ってもらいたいという祈願者の願いが一致した時にご利益が生まれてくるのです。地鎮祭・上棟式・家払い・家の取り壊し・方除け・厄除けなど経済の安定・身体の健康・家庭・社会の平和等の現実生活上における現世安穏も後生善処の願いもすべて成就することをお祈りいたします。

大荒行

日蓮宗大荒行は、千葉県・大本山法華経寺の日蓮宗大荒行堂にて行われる100日間の厳しい修行です。
日蓮宗ではこの大荒行を行うことにより、ご祈祷を行うことができます。
日蓮宗の祈祷は行者の一心の修行により、本仏の大慈大悲の仏力が働いて、妙法の経力が活動し、法華経読授、唱題の力は修行者の信力をいよいよ深め、ついに念力をも生ずることになるのです。

大荒行は毎年11月1日より翌年の2月10日の100日間行われ、 午前3時から午後12時まで睡眠時間2時間半の中、1日に7回の水行と読経三昧、食事は1日に2度、質素な物で、自分の体・精神ともに極限まで追い込み、行を積むことによって檀信徒を助けられる力を得られるのです。この修行は日蓮宗僧侶が必ず行う修行ではなく、特に志を持った者が志願し行う修行で、短い一生の中で何年に1度入行できるかわからないものです。

この100日間の修行は日常、我々を取り巻いている自由、あるいは世間的な地位とかを含め、自我も生命もすべて鬼子母大善神にお預けし、黙々と自己の罪障滅罪する修行であり、謗法懺悔・罪障消滅の苦行となります。
法華経万巻の読誦(お経をあげる)・唱題(お題目をあげる)・水行(水をかぶる)、その他の勤役が所作仏事となって目には見えない法華経の妙法経力が自己の心身に功徳霊気となって蓄積し、祈祷修法に当たってこれが発動を見、修法を受ける人々に効験利益を顕して妙法弘布の大願をも成就するのであります。

鬼子母神

祈祷本尊 日蓮宗の祈祷本尊である。
鬼子母神はその昔、インドで訶梨帝母(カリテイモ)と呼ばれ、王舎城(オウシャョウ)の夜叉神の娘で嫁いで多くの子供を産みました。しかしその性質は暴虐この上なく、近隣の幼児をとって食べるので人々から恐れ憎まれました。お釈迦様はその過ちから帝母を救うことを考えられ、その末の子を隠してしまいました。
その時の帝母の嘆き悲しむ様は限りなく、お釈迦様は「千人のうちの一子を失うもかくの如し。いわんや人の一子を食らうとき、その父母の嘆きやいかん」と戒めました。そこで帝母は初めていままでの過ちを悟り、お釈迦様に帰依し、その後行者の守護神となることを誓い、人々に尊崇されようになったとされています。

日蓮聖人は御書の中で「十羅刹女と申すは十人の大鬼神女。四天下の一切の鬼神の母なり。また十羅刹女の母なり、鬼子母神これなり」と述べられ鬼子母神を重視されています。もともと鬼子母神信仰は平安期の昔から一般的な信仰としてありましたが、法華信仰に生きる者・日蓮宗に属する者にとって鬼子母神はたた単に子供を護る神であるばかりでなく、信者・宗徒の外護神として崇められています。

大黒天

開運招福大黒尊天は、古来より日蓮宗の守護神として、また授福の神として尊崇され、その姿は財宝の豊富をあらわし、「福」「禄」「寿」の三徳を与えられる除災招福の神であります。
鎌倉時代には『大去垢様(だいこくさま)』と書きいろいろな願いをかなえてくれる度に垢(あか)をためると言われております。
そのため1年に1度、その垢を去ってさしあげ1年間の感謝、そして新たな祈願をします。
日蓮宗大荒行堂の第参行(3回目)に入り「大黒相承」で大黒尊天像の勧請(おまつり)の秘法が伝授されます。

大黒様の由来

大黒様はインドより来られた神様で、「大黒」「だいこ大古く久」「だいこ大去く垢」と呼ばれ、貿易・食堂・福徳の神として崇められ、お寺の本堂・庫裡の柱(大黒柱)・食堂・倉庫・門前・又檀信徒の仏壇・台所の棚・柱に祀られてきました。
その姿は福徳圓満(ふくとくえんまん)の微笑を浮べ、頭には頭巾、左手には袋、右手には小槌を持ち、米俵の上に立っています。桝は宇宙界を表し、小槌・袋・俵は福禄寿(ふくろくじゅ)の宝を表しています。
日蓮聖人も富木日常上人に大黒様を供養することをすすめられ、「日々を安楽にすごしておられるか、この大黒様を信仰すれば、所願円満成就し、現世安穏(げんせあんのん)、後生善処(ごしょうぜんしょ)の楽を得るであろう」と教えられ、以後、日蓮宗の守護神として祀られ、日蓮宗大荒行の祈祷相伝中【大黒天法】は第参行僧(3回目の修行僧)の相伝として、重視されています。

努力の神様 大黒天

丸い頭巾をかぶって右手に小槌、左手に袋をにな担い、2つの俵の上にお立ちになる笑顔の大黒様は、もとを辿るとインドの神様です。
仏法を護り、飯食(はんじき)ゆたかに福徳を給う神様として、仏教では福徳円満自在菩薩(ふくとくえんまんじざいぼさつ)の化身と説かれています。
大黒様のお姿はいったい何を示しているのでしょうか。
働いて働いて真っ黒になる。つまり大黒になって働けば、足元から「幸い」が盛り上がってくるであろうと教えられています。大黒様は私たちの希望をかなえてくださる小槌を持ち、この小槌で物をたたくと「こつこつ」音がします。
つまり、こつこつとたゆまず励むことが幸福への近道であると教えられています。
それ以外に私達を幸せにする道はありません。つまり、大黒様とは私達の精神そのものの姿相なのです。

日蓮聖人と大黒様

日蓮聖人は大黒天を「南無妙法歓喜寿福天王(なむみょうほうかんきじゅふくてんのう)」と申されております。
大黒様のお姿が示す如く、いつもにこにこ愚痴や不平は閉じこめて、慈悲の眼で働けば打出の小槌から福が飛び出すと福祐自在なることをお教えになりました。

お札の給仕方法

お札は東・南・東南向きに貼るのが良いとされておりますが、構造上無理な場合は粗末にならない所に貼り、ご給仕しましょう。
家内安全等、家族全体を護るお札は家族が集まるお部屋に、個人の祈願のお札は、自分の部屋か寝室がよろしいと思います。
毎日手を合わせ祈願成就をお祈りください。

お札は1年間その家を護ってくれます。1年過ぎたお札は替えなければなりません。1年の感謝を込めて『おたきあげ』をしますのでお寺までお持ちください。
当病平癒・合格成就等は、その祈願が成就した後にお礼参りを忘れずに行ってください。

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